8.“栄養のバランス”ってなんだ

健康を保つために「栄養バランスを整えましょう」という言葉をよく聞きます。
この“栄養バランス”とはなんのことを言っているのでしょうか。
前回“7.人間に必要な栄養素”では、”5大栄養素”について書きました。栄養素にはもっと様々な種類があり、それぞれの役割や食べ合わせによる効果の増大や幻滅、さらには逆効果なんていうことも起こり得ます。
ただ、本章では“5大栄養素”における栄養のバランスについて考えます。

厚生労働省「食事バランスガイド」

学校の家庭科の授業や病院内の掲示物などで、どこかで一度は見たことがある方がほとんどだと思われる図があります。それがこちら厚生労働省が推奨する「食事バランスガイド」です。

「何を」「どれだけ」食べたらよいかをわかりやすくコマのイラストを用いて示したのが食事バランスガイドです。この食事バランスガイドでは毎日の食事を「主食」「副菜」「主菜」「牛乳」「乳製品」「果物」の5つの料理グループに区分し、区分ごとに「つ(SV)」という単位を用いて1日の目安が示されています。

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-007.html

これは、【1日のエネルギー必要量】を素に算出されたもので、1日に食べるとよい目安の多い順に上から「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」という5つの料理区分で示されています。
主食はごはん・パン・麺などであり、副菜は野菜・いも・海藻・きのこを主材料とする料理、主菜は魚・肉・卵・大豆・大豆製品を主材料とする料理のことをいいます。

成人(厳密には高齢者を除いた身体活動レベルが「ふつう」以上の成人女性や身体活動レベルが低い成人男性)の場合、エネルギー必要量は2200~2400kcalとされており、そのエネルギー量を摂取するのに適した食事構成であると推奨されています。

厚生労働省「エネルギー産生栄養素バランス」

元々は「PFCバランス」という名称で表示されていたものが、厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」から、その名称が「エネルギー産生栄養素バランス」に名称が変更されました。
文字通り、人間が生きていく上で必要な“エネルギー”を産み出すための“栄養バランス”です。言うなれば「エネルギー摂取はこうしましょう」と推奨されているものです。

これが1日に必要なエネルギー量を産み出すのに“望ましい”とされた栄養バランスです。

さて、ではそれぞれにどれほどのエネルギーを産み出してくれるのでしょう。

<1gあたりのエネルギー量>

●炭水化物:4kcal
●脂質:9kcal
●たんぱく質:4kcal

これが、3大栄養素が産み出すそれぞれのエネルギー量です。
「炭水化物」と「たんぱく質」は同じ4kcal、脂質は9kcalとなっています。
「炭水化物」は「おもにエネルギーになる」という働きしかありませんでした。一方で「たんぱく質」は「おもにカラダを作る」という働きも持ち合わせていました。この役割を把握した時に、私は思いました。

同じエネルギー量なら、厚生労働省が推奨する炭水化物多めのバランスよりも、カラダを作ってくれるたんぱく質を多く摂る方が良いのではないか。

※炭水化物は[糖質]と[食物繊維]により成されており、食物繊維にはエネルギーがあるものとないものの2種類が存在します。そのためエネルギー量は「0〜2kcal」と幅があります。そのため、原則として食物繊維分のエネルギー量は炭水化物に含まれるものとし、エネルギー量は4kcalと定められています。